
SNSや既読、通知。つながる手段が増えるほど、他人との適切な間合いはかえって測りにくくなる。本書は女友達・幼なじみ・親・姑・上司・同僚・パートナーといった近しい関係をめぐる「ややこしさ」を、人気ライターが自らの失敗を含むエピソードで綴ったエッセイ集である。淡いピンクを基調にした表紙には、透明な丸い瓶のなかで膝を抱える女性が描かれる。緑の髪、黄色いシャツ、ピンクのスカートという素朴な色面と細い線描が、瓶の内側に貼られた付箋やコーヒー、ノートパソコンと重なり、誰かと隔てられたまま留まる距離を静かに可視化している。

著蜂須賀敬明
装丁小川恵子
装画東海林巨樹
双葉社 / 2024年
文学・評論