
角野栄子による「魔女の宅急便」シリーズ第五巻。成長したキキが、魔女としての自分の居場所や旅の意味と向き合っていく物語。落ち着いたグレーを地に、屋根のオレンジと黒い家屋を大胆な面で配し、その稜線にほうきを携えた少女と黒猫がぽつりと立つ。輪郭をなぞらない素朴な筆致と、刷り重ねたような版画調の質感が、おとぎ話の手触りと現代的な簡潔さを同居させる。空と屋根のあいだに留まる小さな影が、巻名の「とまり木」を静かに引き受けている。
装丁芥陽子
装画100%ORANGE
100%ORANGE / 2011年
文学・評論