
奈良の小さな町に集う女性たちの日々を、ゆるやかな群像として描いた連作短篇。喫茶店や日常の風景のなかで、それぞれの人生の手触りが静かに重ねられていく。表紙は淡い黄色の絵の具を塗り広げた地に、頭にカップを乗せた人、鳥を頭にとまらせた人、買い物袋を提げた小さな人物などが線描きで点在する。手描きの筆致と余白の多さ、にじみを残した彩色がそのまま物語の呼吸となり、市井の人々の朗らかさとささやかな寂しさを柔らかく抱きとめている。
装丁名久井直子
装画100%ORANGE
100%ORANGE / 2014年
文学・評論