
四十歳で未婚のまま出産を選ぼうとする女性を描いた小説。世間体や噂に流されず、自らの人生を選び取ろうとする主人公の姿を、軽やかな筆致で照らし出す一冊である。表紙は白地を大きく余白として残し、線描のイラストで女性の上半身が淡く浮かぶ。三角の散りばめられた青いワンピース、青い耳飾り、小さな紅の唇。タイトルは黒の縦組みで右に大きく、左にも回り込むように配され、帯の青い手描き線が同じ色相で響き合う。明るい青と白の清潔な余白が、迷いを抱えながらも前を向く一人の女性の輪郭を、静かに肯定している。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論