
ソウルに実在する古本屋を舞台に、奇妙な依頼を持ち込む客たちの物語を綴ったノンフィクション。本探しのプロセスはミステリーのようでありながら、すべて実話だという。表紙は、書棚に囲まれた机で本を開く店主らしき人物を、淡い水色の壁を背景にやわらかなタッチで描いたイラスト。タイトル文字は白く大きく抜かれ、帯の青と本体の生成りが落ち着いた階調をつくる。線の細い親密な絵柄が、見知らぬ誰かの来歴に静かに耳を傾けるような、この本のたたずまいを伝えている。

著穂村弘
装丁折田烈
装画平松麻
河出書房新社 / 2017年
文学・評論