東京創元社が満を持して創刊した総合文芸誌の第1号。本格ミステリ大賞や鮎川哲也賞といった同社ゆかりの賞の発表媒体としての役割を担い、短編小説や評論を幅広く収める。表紙は生成りに近い淡色地に、朱赤と黒の二色で構成されたイラストレーション。黒衣に大きな帽子の人物、サーカスめいた縞模様の馬、ナイフのような爪を伸ばす赤い手など、寓話的なモチーフが余白を活かして配置される。題字は赤の手描き文字で、版画調の素朴な筆致が紙面に温度を与える。物語と読者を結ぶ最初の扉として、洒脱でどこか不穏な雰囲気をまとった一冊。