
明治末から昭和初期、夢野久作の遺した未完の構想を起点に、人造人間と幻燈、見世物小屋の幻想が交錯する伝奇SF長編。表紙は、首から下が機械仕掛けと思しき少女の半身像を中央に据え、漆黒の前髪と陶器のような肌、頬に散る朱色の文様が艶めかしく描かれる。背後には縁日の幟や祭礼の図像、星章や提灯を思わせる極彩色の断片が貼り合わされ、和の意匠と近代的なメカニックが一枚の中で衝突する。明朝体の太い縦組みタイトルが朱で大きく抜かれ、画面全体に祝祭と異形が同居する夜の熱気を立ちのぼらせている。
著McGeorge、Chris、不二、淑子
装丁水戸部功
早川書房 / 2019年
文学・評論