
ニュージーランドのクライム小説家による「殺人鬼ジョー」シリーズの下巻。連続殺人鬼ジョーをめぐる物語を、被害者でもなく加害者でもない女性メリッサの視点から捉え直すサスペンスの後半戦にあたる。カバーは、唇に指を当てた金髪の女性が「POLICE Dept. MELISSA」と記された顔写真ボードを掲げる構図のイラストレーション。背景の身長計らしき横線とくすんだブルーが取調室の冷ややかさを匂わせ、橙のジャケットと飛沫のような青のタイトル文字が画面に緊張をもたらす。挑発的な眼差しと「被疑者」を演じる小道具が、物語の倒錯した立場を一枚で告げている。
著古川日出男
装丁新潮社装幀室
装画サイトウユウスケ
新潮社 / 2023年
文学・評論