文学・評論
万国菓子舗 お気に召すまま〜秘めた真珠と闇を照らす光の砂糖菓子〜
溝口智子
万国の菓子を扱う小さな店を舞台に、訪れる人々の秘めた思いと静かな救いを描く連作短編。表紙は淡い藤色と薔薇色を基調にした柔らかなイラストで、店内らしき空間に立つ二人を奥行きのある構図で配し、手前の皿には星屑のような粒を散らした夜空色のキューブ菓子とフォークが据えられている。題字は手描き風の白い短冊に収め、菓子越しに物語の核心へ視線を導く。甘やかさと淡い陰影を併せ持つ装画が、闇を照らす砂糖菓子という副題の余韻を静かに引き受けている。