
心肺停止から生還した著者が、臨死体験と回復の日々を綴ったエッセイ。生と死の境界をのぞき込んだ視線が、軽妙な語り口を通して綴られる。鮮やかな黄色を背景に、王冠を戴いた長髪の女性がうさぎのぬいぐるみを抱いて水面から立ち上がる線画が大胆に配される。和文タイトルは縦組みで右側に置かれ、下部には小さく英題が並ぶ。星のあしらいや波紋が童話的な軽やかさを添える一方、黄と黒の強いコントラストが死の影を際立たせ、深刻なテーマをポップに反転させて差し出している。

著樋口有介
装丁野中深雪
装画中島梨絵
文藝春秋 / 2017年
文学・評論