
芸能界を舞台に、人物の素顔と時代の空気を独自の筆致で描き出すノンフィクション・シリーズの第三作。副題が示すように、生と死の境を意識した筆運びで、語り手は対象に深く踏み込んでいく。表紙はターコイズ地に黄色のプロペラ機を大きく配したイラスト。操縦席から身を乗り出す主人公らしき人物の構図が物語の緊張感を匂わせ、下部には赤い欧文で「WRITE AND LET DIE」の一行。ボンド映画を思わせる図像と書名のロゴが、芸人評伝でありながらスパイ小説的な疾走感を装丁に与えている。

著川越宗一
装丁関口聖司
装画西川真以子
文藝春秋 / 2019年
文学・評論