
シャンソン歌手でありエッセイストでもあった著者が、暮らしや食卓、旅、人との出会いをめぐって綴ったエッセイ集。日々の中の小さな美しさに目を留める、軽やかで芯のある文章が収められている。表紙は深い黒を背景に、淡い水色のクロスが掛かったテーブルと椅子、ワインボトルとグラス、小皿が素朴な筆致で描かれる。輪郭をなぞらない柔らかな絵肌と限られた色数が、静かな夜の食卓の空気をそのまま留める。誰かを待つような余白に、本文の慎ましい眼差しが重なってくる。
著古川日出男
装丁佐々木暁
装画松本大洋
河出書房新社 / 2024年
文学・評論