
福井の高校バレー部を舞台にしたシリーズの春高編、その第2巻。全国大会の舞台で部員たちがそれぞれの想いを抱えながらコートに立つ、青春群像劇である。表紙はアイボリーの地に水彩でやわらかく描かれた三人の部員像が配され、ボールを掲げる者、ユニフォーム姿で立つ者、ジャージ姿で座り込む者と、競技中の高揚と試合の合間の素の表情が一画面に共存する。中央には淡いミントグリーンで「2.43」の大きな数字が透過するように重ねられ、人物の線画と数字とが互いに干渉しない透明さで層をなしている。コートの熱と、選手の素顔。その両方を一枚に収めた、抑制の効いた表紙である。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論