
ディックの短篇傑作を編者が精選した一冊。表題作は冷戦下の戦場で生まれた殺戮機械をめぐる物語で、人間と他者の境界が繰り返し問い直される。表紙は古典的なカルトゥーシュの枠に書名を収め、中央には版画調で描かれた熊のぬいぐるみ。背後には鎌と槌、星章、そしてピクセル状のノイズが走る。落ち着いたグレーの地に黒一色で刷られ、無垢の象徴と冷戦の記号、デジタルの乱れが一画面に同居して、人間と機械の輪郭が揺らぐ作品世界を静かに告げる。
著DickPhilipK、小尾芙佐
装丁土井宏明
早川書房 / 2020年
文学・評論