
新薬開発の特許をめぐり、日本と欧州の製薬会社が衝突するサスペンス・ミステリー。先行文献を見つけ出すための調査と、巨額の利権を背負ったプライヤーアートの攻防が、絶句する戦慄の結末へとなだれ込む。深い藍と紫が滲み合う氷塊のようなテクスチャをカバー全面に敷き、白抜きの太い明朝で書名を大胆に重ねた構図。帯の鮮烈な青と本文の白文字が冷気を孕み、表題の「成功す」が硬質な氷の裂け目に閃光のように浮かぶ。化学と謀略が凍てつきながら火花を散らす、その温度差を一枚で伝える装い。
著横関大
装丁菊池祐
装画岸あずみ
小学館 / 2023年
文学・評論