
大学の寮で起きた一夜の事件から14年。新しい人生を歩み始めた女性のもとに届く同窓会の招待状と脅迫状——女性同士の親密さと支配の翳りを描くサスペンス。鮮烈なマゼンタを背景に、青灰色で描かれた二人の女性が口紅を差し合う瞬間が大きく配される。線の繊細さと色面のコントラストが強く、白抜きの和文タイトルが画面を縦に切り裂くように走る。甘やかさと毒気が同じ筆致で同居する装画が、物語の親密さと罪の質感をそのまま手渡してくる。
著鏑木蓮
装丁早川書房デザイン室
装画中村至宏
早川書房 / 2017年
文学・評論