
ニューヨークを震撼させる連続絞殺事件に名探偵が挑む、後期クイーンを代表する長編の新訳版。漆黒の地に、振り返るピンクの猫と歩み去る水色の猫を版画調のかすれた質感で配し、二匹の姿が画面の上下で交差する。タイトルは骨太の明朝で大きく組まれ、細い罫の額装と相まって古典的なミステリの佇まいを保ちながら、鮮やかな二色の対比が事件の不穏さと洒脱さを同時に立ち上げる。闇のなかで揺れる猫の影が、九つの尾を持つ怪物の輪郭をそっと示している。
著LivioMario、千葉敏生
装丁金井久幸
カバー写真Masters+Getty Images
早川書房 / 2015年
社会・政治