
ゲームをモチーフにしたSF短篇を集めた一冊。仮想空間とプレイヤー、現実と虚構の境界をめぐる物語が、海外作家の作品を中心に編まれている。カバーは青空と巨大な惑星、岩山と雲海を背景に、制服姿の少女が宙に身を投げ出す瞬間を切り取ったイラストレーション。足元には水玉のキノコ、ピンクの小動物、奇妙な石像群が散らばり、ゲーム世界特有の手触りが画面いっぱいに広がる。タイトルは横長の白帯に黒と赤で組まれ、画面の鮮やかさを引き締める。プレイヤーがスタートを押す前の、期待と不安が同居する一瞬を、装丁そのものが体現している。

著連城三紀彦
装丁岩郷重力+t.f
装画柳智之
東京創元社 / 2021年
文学・評論