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発現
文学・評論

発現

阿部智里

何かが立ち現れる瞬間を切り取った物語と思われる。夕暮れに染まる路面電車通りで、白いワンピース姿の少女が両腕を広げて佇む情景が表紙を満たす。手前には彼岸花が暗く群れ咲き、奥には朱とクリーム色の電車、左手に古い木造家屋が連なる。橙の光のなか、墨書きの「発現」二字が画面中央に重く据えられ、少女の顔を覆い隠している。日常の風景に走る裂け目を、温かな夕光と冷えた不安で同時に立ち上げた装い。

About

出版社
文藝春秋
出版年
2021
判型
文庫
ジャンル
文学・評論

Credits

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