
18歳の姉と8歳の妹が辿り着いた町で、しゃべる鳥「ネネ」と出会い、人々に支えられながら40年を生きていく長編小説。カバーは水彩で描かれた里山の風景で、水車小屋を囲む大樹、川面に散る花弁、傍らに立つ少女と鳥が淡い色彩で配されている。タイトルは水色の付箋を模した囲みに収められ、手書きめいた線と余白の白さが物語の穏やかな時間の流れを思わせる。絵の柔らかさが、長い歳月を静かに肯定する作品の手触りと響き合っている。

著宮田愛萌、渡辺祐真(スケザネ)
装丁大久保明子
装画北澤平祐
文藝春秋 / 2025年
文学・評論