
人気シリーズ「プリンセス・ダイアリー」の第12巻。パンデミック下のディスタンスをテーマに、王女ミアの日常と揺らぐ心情が日記体で綴られる。表紙は白地に黒の細線で描かれた人物・調度・植物のイラストが余白を生かして散らされ、青い小花、白鳥、白猫、ピザやケーキといったモチーフが軽やかに点在する。中央に置かれた黄色いオーバル内のロゴだけが装飾的な筆記体で抜かれ、その明るい一点が紙面全体を引き締める。線描の繊細さと黄色の効かせ方が、距離を保ちつつ日々を綴る本書の軽やかな手触りに重なる。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論