
ニューヨークに暮らす女子高生ミアが、ある日突然「小国の王女」と告げられて戸惑いながら日々を綴っていく日記体の青春小説。世界中で読まれるシリーズの第一巻が、新訳で読み直せる装いになっている。白地に細い線描のイラストを散らし、ふたりの少女、薔薇、向日葵、ティアラやリップ、ハイヒール、城のシルエットを軽やかに配置。中央の楕円に筆記体の英字タイトルを置き、薔薇のピンクだけを差し色に使う構成が、十代の揺らぎと華やぎを上品に束ねている。線の細さが日記の私的な手触りを、ピンクの一点が物語の夢を、それぞれ静かに引き受けた一冊。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論