
血の繋がりを越えて「姉妹」になることはできるか。35歳・自営・シングルマザーの主人公が、気の合う他人と擬似的な家族関係を結んでいく日々を綴った長編。阿佐ヶ谷姉妹との鼎談も収録された文庫版である。表紙は、白地の中央に蛍光に近いライムグリーン一色で描かれた、互いを抱きしめ合う三人の人物。輪郭線のみのシンプルな筆致と、目を閉じた穏やかな表情が、寄りかかり合う身体のかたちをやわらかく浮かび上がらせる。タイトル文字も同じ手描きの線で添えられ、関係を新しく結び直すことの軽やかさと体温が、画面全体から立ち上がってくる。

著平野紗季子
装丁大島依提亜
装画Alexis Ralaivao
新潮社 / 2024年
暮らし・健康・子育て