
性暴力を生き延びた女性たちと共にエベレストへ向かった登山家の手記。最も暗い夜明けまえ、山の影で支え合う女性たちの連帯と回復を綴ったノンフィクションである。ターコイズブルーを地に、墨一色の線画で描かれたヒマラヤの稜線。広大な山並みのなかに置かれたバックパックの人影は小さく、自然を前にした脆さと、それでも一歩を踏み出す意志を同時に映す。手前の湖面に落ちた黒い山影が、過去の闇を抱えて歩む登攀者の姿そのものに重なる。

著LandStephanie、村井理子
装丁名久井直子
カバー写真井上佐由紀
双葉社 / 2020年
文学・評論