
学校の屋上らしき場所で背を向け合うように立つ制服姿の少年と少女。タイトルが示すように、群れの中で孤独を抱えながら踏みとどまる若者たちの物語を予感させる。夕景に染まる空とフェンスを背景に、黄色く照らされた床面と濃く伸びる青い影のコントラストが強い。明朝体の白いタイトルは画面上部から縦に大きく配され、二人の人物像と重なるように組まれることで、隣り合っていても交わらない距離感を視覚化している。光と影の対比が、孤独と勇気という相反するものを同じ画面に同居させている。

著市川哲也
装丁西村弘美
装画まいまい堂
東京創元社 / 2023年
文学・評論