
水族館の現場で奮闘する若い女性飼育員の日々を描いた物語。表紙には、デッキブラシを肩に担ぎ、片手に小魚を持って立つ作業着姿の少女と、水槽のガラス越しに寄り添うイルカが、淡い水彩タッチで描かれている。背景は夕暮れの空と青く澄んだ水面が縦に重なり、足元には白いバケツがちょこんと置かれる。タイトル文字は水色で抜かれ、空と水の境目を縫うように配置。働く者と生きものの距離の近さが、画面いっぱいの水と光の中に静かに溶け込んでいる。

著市川哲也
装丁西村弘美
装画まいまい堂
東京創元社 / 2023年
文学・評論