
作家・開高健が壽屋(現サントリー)宣伝部でコピーライターとして過ごした時代を辿る評伝。広告史と戦後日本文学の交差点に立つ若き書き手の姿を、当時の仕事と肉声から浮かび上がらせる一冊。表紙は上半分に余白を大きく取った白地のタイトル帯、下半分に丸眼鏡の青年期モノクロ写真を配する二段構成。書体は端正な明朝で、「壽」の旧字が時代の手触りを残す。写真の青みを帯びたグレーと紙の白が静かに対比し、伝説化される前の一人のコピーライターを、等身大の眼差しで見つめ直そうとする装丁である。
著筑摩書房編集部
装丁名久井直子
装画寺田克也
筑摩書房 / 2014年
ノンフィクション