文学・評論
ピロウボーイとうずくまる女のいる風景
森晶麿
枕に身を預ける裸の男と、膝を抱えてうずくまる女。タイトルの二像をそのまま一画面に並べた装丁で、副題「4 POLITICAL FRAGMENTS WITH A PILLOW-BOY」が示すとおり、政治と愛欲の狭間に置かれた連作の断章集である。くすんだ桃色を地に、白い枕のモノクロ写真と黒いブロンズ像が対角に配され、その間に二つの短い台詞が小さく差し挟まれる。写真と彫像、声と沈黙が同じ色の風景に並び、誰かを抱くことと自分を抱くことの距離が静かに測られる。