
マレーシアの漫画家による自伝的グラフィックノベル。カンポン(村)で過ごした少年時代の記憶を、ユーモアとともに描き出した一冊。横長の判型いっぱいに、高床式の木造家屋と、その周りで遊ぶ小さな人影、自転車、鶏、椰子の葉が水彩で描かれる。窓辺に干された青い布、赤茶色の土、黄緑にひかる光。タイトル「LAT」は白く荒い筆致で空に置かれ、下部の「kampung boy」は手書きの太い線で陽気に走る。絵そのものが、ページをめくる前から南国の湿度と子どもの視線を運んでくる装丁。
著彩瀬まる
装丁名久井直子
装画浦上和久
実業之日本社 / 2015年
文学・評論