
愛媛の実家近くの農地が太陽光パネル用地として売られそうになる——東京在住の次女が一族や行政、地域の慣習と渡り合いながら土地を守ろうとする顛末記。生成りの地に、手描き線で旗を振る人物や竹に登る娘、並び立つ家族らしき影が軽やかに配される。タイトルは荒い筆致の太い手書きで縦に大きく踊り、帯のくすんだ抹茶色に「現実はあまりにもすごかった!」と吹き出しが入る。土と人の輪郭がにじむ画面が、地続きの怒りとユーモアをそのまま手渡してくる。
著いとうせいこう
装丁佐藤亜沙美
河出書房新社 / 2014年
文学・評論