
江戸を舞台にしたとおぼしき時代ミステリ。薫と芽衣というふたりの女性が手を取り合い、市井の事件に立ち向かう連作のようだ。表紙には、白い椿模様の着物と若草色に山茶花を散らした着物をまとう女性ふたりが向かい合い、そっと手を重ねる姿が線描と淡彩で描かれる。背景は淡い桃と藤の縦のグラデーション、宙には薄紅の花弁が舞う。タイトルは縦書きの細い明朝で画面の左右に分かち書きされ、書名・著者名は黄緑の短冊に収められて画面に節度を与える。穏やかな色面と確かな線が、ふたりの絆を静かに支えている。
著BrautiganRichard
装丁ハヤカワ
装画小池ふみ
早川書房 / 2002年
文学・評論