
人力車を引く若い車夫の日々を描く児童書シリーズの第三巻。仕事に向き合う青年の成長と、乗せる人々との出会いがやわらかな筆致で綴られる。表紙は淡い朱色の地に、半被姿の青年と人力車に座る幼い客、背景に滲むように寺社の屋根が線描で重ねられ、シリーズ名を大きく抜いた明朝の縦組みが画面を貫く。タイトル脇に小さく添えられた「雨晴れ」の三文字と「shafu3」の欧字が、走り去ったあとに残る湿った光のような余韻を生み、人と人との一瞬の交差を静かに掬い上げている。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書