一覧に戻る文学・評論夏の水の半魚人夕暮れに溶ける空を背に、黄色いTシャツの少年がひとり立つ。夏という季節の手ざわりを抱えた人物像が、そのまま装画として表紙に置かれている。青からピンク、淡い黄へとにじむ筆致は水彩のごとく画面を湿らせ、奥には工場と思しき街影が低く沈む。タイトルは左上に控えめに収まり、広い白の余白が絵の余韻を外へ逃がす。半ば水になりかけた記憶のような時間が、紙の上に静かに留められている。About出版社前田司郎出版年2009年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁奥山志乃(細山田デザイン事務所)装画酒井駒子