
劇作家・小説家でもある著者によるエッセイ集。タイトルが示すのは、食べたものが体を通過するように、口から出る言葉もまた身体を通った末のものではないか、という素朴で可笑しな問いかけ。淡い黄色の地に、一段濃い黄色の四角を重ね、その上を一本の朱色の細線が裸身らしき輪郭をするりと横切る。輪郭だけで完結させず、線の途切れに余白を残す軽やかさが、肩肘張らない思索の手触りと響き合う。右に縦組みの著者名、上部に小ぶりの本文書体で置かれた長い題字。装丁全体が、内臓と言葉のあいだにある身体を静かに描き出している。
著李龍徳
装丁鈴木成一デザイン室
装画佐藤正樹
河出書房新社 / 2018年
文学・評論