
書家・石川九楊が自身の歩みと作品を語る、はじめての自伝図録。半世紀以上にわたる書業の軌跡と、現代芸術としての書を鍛え直してきた思索が一冊にまとめられている。カバーは横顔を捉えたモノクロ写真の上に、白く擦れた筆跡を大きく重ねる構成。眼鏡の蔓と髪の質感、紙面のざらつきが黒の階調のなかで響き合い、その肌の上を走る生々しい白の線が、書く身体と書かれた線とを同一平面に立ち上がらせる。文字を語る本が、文字そのものの姿でこちらを見返してくる。
著北大路翼
装丁松田行正
装画宮下あきら
カバー写真秋澤玲央(五四頁)+八五頁、一五五頁、プロフィール
左右社 / 2019年
文学・評論