
少女期の繊細な揺らぎと、その内側に芽吹く欲望や違和感を掬い取る短篇集。白を基調にした表紙には、白いブラウスと青いスカートをまとった四人の少女が木箱のような台に腰かけ、それぞれ手元の小さなものに視線を落としたり、ひとりだけ片手をすっと高く上げたりしている。足元には淡い緑と白の市松模様が敷かれ、縦書きのタイトルは黒字のなかに「女」「肌」だけが赤で抜かれている。揃いの制服のなかにひとつだけ立ち上がる手と、文字に差し込まれた赤が、均質に見える少女たちのなかで脈打つ個別の体温を静かに指し示している。
著辻村深月
装丁アルビレオ
装画佐伯佳美
中央公論新社 / 2018年
文学・評論