
古代中国を舞台にした歴史ファンタジー〈桃花源奇譚〉シリーズ第二巻の新装版。十七年前に生き別れた母の手がかりを求め、皇子が水と緑の都・杭州を目指す物語で、謀略渦巻く後宮や江南の風土が交錯していく。カバーは白い衣の人物を中心に据え、背後には朱の大円と山並みの淡彩、足元には龍の意匠を細密な線描で重ねている。題字は縦組みの明朝で大きく流し、橙の帯が画面下を横切って色面の緊張を生む。線と色面の呼応が、史実と幻想の境を行き来する物語の手触りをそのまま伝えている。
著中路啓太
装丁bookwall
装画遠藤拓人
中央公論新社 / 2014年
文学・評論