
鹿撃ち帽に虫眼鏡を構えた少年探偵ブルーノが、椅子に座る大柄な黄色い猫と向き合う。猫が目撃した殺人事件を巡る、子どもとユーモアのための海外ミステリの邦訳。表紙はキャラメル色のカルトゥーシュを中央に配し、その縁取りの内側だけに物語の世界を切り取る古典的な額装の構図。少年の青いショートパンツと靴下、猫の花柄ドレス、虫眼鏡の中に浮かぶ赤い屋根の館——飾り立てた色面と手描きの細い線が、童話絵本の親しさと探偵小説の様式美をひとつの画面で両立させている。

著宮田愛萌、渡辺祐真(スケザネ)
装丁大久保明子
装画北澤平祐
文藝春秋 / 2025年
文学・評論