
硬い爪、切り裂く指に明日
爪と指、そして「明日」を題に掲げる一冊。痛みと希求が同じ手のひらに乗せられているような響きが、表題そのものに織り込まれている。漆黒の地に橙の焔めいた筆致が走り、向き合うように立つ二つの人影、舞い落ちる白と褐の羽根が配される。線の細い人物描写は静かだが、背後の炎と羽根の散りようは確かに激しく、白抜きの縦組タイトルが静寂を支える背骨となっている。沈黙のなかで火種が燻る ── そんな温度をまとった装いである。
About
Credits
- 装丁
- 坂野公一(welle design)
- 装画
- 川野(next door design)

















