一覧に戻る文学・評論増加博士の事件簿二階堂黎人老紳士を主役にした連作短編の文庫版。山高帽に丸眼鏡、白い顎髭、手にしたステッキ——古典探偵小説を思わせる装いの男が、杖を踏みしめて一歩を踏み出す瞬間が油彩のタッチで描かれる。ベストとジャケットの黒、蝶ネクタイの淡い水色、背後に広がる琥珀色の壁と床の明暗が、舞台のような静かな緊張をたたえる。白の明朝で縦に流した書名と、控えめに添えた英字、下端の文庫マークが、絵の重心を崩さずに据えられている。動と静が同居する、探偵小説らしい佇まいの一冊。About出版社講談社出版年2018年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁坂野公一(welle design)+吉田友美(welle design)装画榊原一樹Amazonで見る