
経済から女性が排除されてきた構造を問うノンフィクション。ワーキング・プアや昇進の壁といった具体的な現象を経済的損失として捉え直す射程を持つ。白地に黄色の楕円と青のジグザグ、その境目に細く差す赤——抽象化された幾何形態が緊張感ある均衡をつくる。和文タイトルは黒の明朝で縦に大きく組まれ、欧文の「The Cost of Sexism」を細身で上部に据える対比が冷静な分析の姿勢を示す。鮮やかな三色の衝突と整然とした文字組の同居が、本書の挑発と論理の両面を静かに告げている。
著SmithRakoffJoanna、井上里
装丁芥陽子
装画網中いづる
柏書房 / 2015年
文学・評論