
父と子をテーマに据えた短篇アンソロジー。複数の書き手による五篇のミステリーが収められ、家族のあいだに横たわる謎と感情の機微を描き出す。表紙は、夕陽を思わせるオレンジの光を背に、半袖シャツの少年と白いシャツの父らしき男性が向かい合う場面を水彩タッチで描く。輪郭をなぞる柔らかな筆致と、画面を縦に走る和文タイトルの黒、欧文の「Stories of father and child」が静かに重なる。語られない時間の余白を、淡い色彩がそっと差し出している。
著横関大
装丁菊池祐
装画岸あずみ
小学館 / 2023年
文学・評論