文学・評論
平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命
宮崎智之
タイトルの矛盾を、著者自身の日常からほどいていく随想集。依存症や離婚を経て辿り着いた断酒後の暮らしに芽生える、小さな革命をめぐる言葉が並ぶ。生成りの紙地に、丸い頭部と細い縦線で描かれた人影のような図像。ドット柄、格子柄、無地と質感を変えながら、小さな朱色の灯がぽつりと差し込む。縦組みのタイトルは穏やかなコーラルで、煽らず静かに視線を運ぶ。賑やかさと静けさが同じ画面に共存する装いが、「平熱の熱狂」という主題をそのまま体現している。