
異なる土地、異なる時間を生きる者たちの物語が交差し、世界の広さと小ささを同時に映し出していく長篇小説。カバーは白地に淡い水彩で青葉と魚、そして翼を広げる鳥が描かれ、線描の繊細さと滲みの軽やかさが共存する。背後には筆記体で記された英題が大きく流れ、その上に黒い短冊が一枚、和文タイトルを静かに受け止めている。空・水・緑が一枚の画面でゆるやかにつながる構図が、遠く隔たる場所と人とがやがて結ばれていく物語の手触りを、装いそのものから予感させる。

著石井光太
装丁新潮社装幀室
装画影山徹
新潮社 / 2013年
文学・評論