文学・評論
幽落町おばけ駄菓子屋 思い出めぐりの幻灯機
蒼月海里
黄昏の路地にひっそりと佇む駄菓子屋を舞台に、思い出と幻が交差する不思議な物語。少年と黒猫が縁側に腰掛け、頭上には飴細工のような橙色の吊り飾りが連なり、背後には古びた菓子棚や提灯がにじむ光を放つ。藍と紫を基調に橙の灯がアクセントとして点在し、線画に淡彩を重ねた繊細な装画が郷愁と怪しさの境界を描き出す。タイトルは白抜きの明朝で右上に配され、賑やかな画面の中に静かな余白を作る。懐かしさの奥に潜む薄暗がりを、そのまま一枚絵に閉じ込めた表紙。