
母であること、娘であること——血縁の中に潜む息苦しさや葛藤に光を当てる短編集。生成り色の地に、窓辺へ手を伸ばす後ろ姿の女性が描かれる。三つ編みを垂らし、水色のワンピースに白いエプロンの紐を背で結んだ立ち姿。窓枠を覆うように赤と白の薔薇が絡み、内と外の境界を示す細い白枠が画面を静かに区切る。タイトルは右肩に朱の明朝で大きく、著者名も同じ朱で添えられ、絵の穏やかさに鋭い一点を差し込む。閉ざされた窓の向こうへ伸ばされた手が、表題の重さをそっと支えている。
著RubinJay
装丁新潮社装幀室
新潮社 / 2019年
文学・評論