
感染症とテロによりライブが禁じられた世界で、それでも音楽を鳴らし続けようとする者たちを描く近未来SF。カバーは淡いグレーを地に、エレキギターを構えて声を張り上げる女性を青紫の濃淡だけで刷り、白く抜かれたギターのボディが画面の中央を斜めに横切る。背景には五線譜を思わせる細い横線が走り、タイトルと「音楽と熱狂」の太い大文字は鮮やかなイエローで重ねられ、抑えた色面に音量を立ち上げる。声と楽器の輪郭を最小限の色で響かせる構図が、沈黙を強いられた時代に響く一曲の手触りを伝える。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論