
オズの魔法使い』で知られる作家による童話集。魔法、宝物、ガラス細工の犬といった不思議な道具が登場する短編が収められている。深い緑青の地に、白髭の魔法使いとピンク色の犬を中心に据え、宝石箱、開かれた本、砂時計、王女、帽子、電話など物語の小道具が点描の星屑とともに散りばめられた表紙。文字情報を上部にまとめ、下半分を絵物語として読ませる構成は、童話の世界へ静かに誘うための舞台装置のように働いている。背の薄桃色がアクセントとなり、夜空のような濃緑をやわらかく中和している。
著梨木香歩
装丁緒方修一
装画高山裕子
岩波書店 / 2018年
文学・評論