
社会の「ただしさ」が時に誰かを締めつけ、声なき者を追い詰めていく現代を、SNS時代の事件や承認をめぐる闘争を手がかりに読み解く30篇。表紙はざらついた白地に縦組みの明朝でタイトルを置き、語のいくつかを黒い帯で部分的に反転させて白く抜く。各行の「に」だけが帯から外れて黒のまま残る不揃いの組みが、整然と並ぶ「正しさ」のなかで取りこぼされる小さな声を可視化する。下段に細かなコピーを並べた帯の重さが、白の余白に静かな緊張を足している。
著佐久間裕美子
装丁加藤賢策+守谷めぐみ
朝日出版社 / 2020年
社会・政治