
20世紀初頭、コーヒー農園を営むためケニアに渡ったデンマーク人作家が、雄大な自然と人々との交わりを綴った自伝的散文。文庫化にあたり、新訳で改めて読み直される一冊。白地のカバー中央には、オレンジ・緑・黒の面でざっくりと切り分けられたガゼルらしき動物の頭部が、刷り重ねの粗さを残したまま大きく配される。タイトルは細身の明朝で控えめに置かれ、原題のローマ字組みが下半分に静かに沈む。版画的な筆致と余白の白が、乾いた大地と遠い記憶の手触りを呼び込む。
著BaconFrancis
装丁加藤賢策
求龍堂 / 2021年
アート・建築・デザイン